
原題 : Barry Lyndon
製作年 : 1975年 アメリカ映画
上映時間 185分
監督:スタンリー・キューブリック
製作:スタンリー・キューブリック
原作:ウィリアム・メークピース・サッカレー
脚本;スタンリー・キューブリック
撮影:ジョン・オルコット
指揮:レナード・ローゼンマン
編曲:レナード・ローゼンマン
美術:ケン・アダム, ロイ・ウォーカー
出演:ライアン・オニール,マリサ・ベレンソン, パトリック・マギー
ハーディー・クリューガー, スティーヴン・バーコフ

18世紀、ジョージ三世の治世の時代。アイルランドに生まれたレイモンド・バリー(ライアン・オニール)の数奇な運命を、あのスタンリー・キューブリック監督が、3時間余の文芸大作に仕立て上げています。
バリーの父親は馬の売買での争いから決闘に及び命を落としました。母親一人の手で育てられたハンサムな青年は従姉のノラに恋をしますが、恋敵との決闘で相手を倒したことから故郷を追われ、放浪の身となります。
途中、追いはぎに遭い、所持金と銃と剣を奪われたバリーは、イングランド軍へ志願兵として入隊します。バリーのように決闘で人を殺し、警察から逃れる者には、戦争で名を上げることが未来を変える機会と思えたのです。7年戦争のさなかの兵不足の折に、一兵卒の過去を気にかける者などいません。バリーはひと月のうちに逞しい兵士となりました。
しかし戦況が厳しくなり、目の前で人が次々と死んでいく様を目の当たりにしたバリーは、軍隊生活にうんざりします。騎士道とは名ばかり。裏ではスリや強奪が横行するのが戦争。戦争で名を成すより、あと6年もある兵役から逃れようと脱走します。
将校の服と身分証を盗み脱走し、国境越えには成功するものの、今度は友軍プロシア軍のポツドルフ大尉に身分を見破られ、彼の軍へと組み込まれます。そして戦争の終結。
軍隊での5年間の生活はバリーを変えました。若い日にあれほど燃えた、愛への情熱は冷め切り、彼が目指したものは「カネと身分のある女性との結婚」。そしてそんな時、彼はまさに理想の女性と出会います。莫大な富と美貌を持つリンドン女伯爵と・・・・。

女伯爵はバリーと出会って、たったの6時間で恋におち、病弱な夫を裏切り逢瀬を重ねます。夫は失意のうちに死を迎え、それを待っていたかのように、伯爵とバリーは結婚。こうしてバリーは上流社会の仲間入りを果たしたのでした。子供も生まれ、バリーの運命は良い方向へと軌道修正されたと思われたのですが・・・・。
物語を進めるのはジョン・オルコットによる叙情的な映像とレナード・ローゼンマンの重厚な音楽です。 ローソクの光と太陽の光の競演、哀愁をおびた畏敬の念を誘う風景。加えて、清流のように時に濁流のように本作を貫く音楽が、登場人物の心情を奏でています。完全に統一されたトーン、照明、カメラ。息を飲むような美しさと芸術性。必見の価値あり!です。