HP「ジャック・ニコルソンの館」を立ち上げました。よかったら覗いてみてくださいネ♪
勇気ある追跡
2008-02-28 Thu 11:34
5133EK52CNL__AA240_.jpg監督:ヘンリー・ハサウェイ
製作:ハル・B・ウォリス
原作: チャールズ・ポーティス
脚色:マーゲリット・ロバーツ
撮影:ルシアン・バラード
音楽:エルマー・バーンスタイン
美術:ウォルター・タイラー
製作年 : 1969年
製作国 : アメリカ
キャスト:ジョン・ウェイン、グレン・キャンベル、キム・ダービー、ジェレミー・スレート、ロバート・デュヴァル

第80回アカデミー賞授賞式で、過去を振り返る映像が流れました。その中に主演男優賞を受賞するジョン・ウェインの姿がありました。ほんの2秒ぐらいの短いものでしたが、満面に笑みを浮かべて、とても幸せそうでした。60歳を過ぎての初受賞。彼に主演男優賞をもたらした作品が「勇気ある追跡」です。BSで放送されましたね。去年の6月以来の放送です。この映画でジョン・ウェインは、とても魅力的な連邦保安官コグバーンを演じています。

コグバーン(ジョン・ウェイン)の過去は褒められたものではありません。身の上話によると、連邦主計官から金を奪ったり、銀行強盗をしたりしたそうな・・・・。盗んだ金で食堂を買って結婚したものの長続きせず、嫁から「あなたは品がない」と三行半をつきつけられたのですって・・・トホホですねぇ。ところが、コグバーンは全く反省の色なし!銀行強盗は銀行相手の犯罪で、一般人に迷惑をかけていないから悪くないという理屈なのです。奥さんから品がないと言われた時は、たいした女でもないくせにと、さっさと離婚したとのこと。息子がいたけれど、これが不器用な子で、カップを40個も割り、おまけにコグバーンを嫌っていたらしい(笑)。そんな人がどうして保安官になれたのか不思議です。

大酒飲みで、元盗人で、だらしがなくて不潔。おまけに非情で命知らず。良識や正義感が欠けている連邦保安官です。でもね、さほど悪人じゃない。直情的で思慮分別がないだけ。(それって、かなり痛手かも・・・笑)何をするにも、あっけらかんとしている・・・・要は憎めない人なのですね。この愛すべき保安官をジョン・ウェインが自然体で演じています。喜怒哀楽を顔に出し、驚いたときに一歩足を後ろに引く、いつもの仕草がキュートです。

さてさて、小悪徳な保安官殿は何をしたかと申しますと、父親を殺された娘の復讐を、100ドルで引き受けることに。西部劇のヒーローは、悪を退治する正義の人、あるいは汚れたヒーローというのが決まり事ですね。お金で動く、悪気のない保安官とは・・・・。しかし、最後は勇気と男気を見せてくれるます!敵に捕まった少女を助けるシーンは、西部劇の大スター、ジョン・ウェインの面目躍如たるところ。馬にまたがり手綱を口にくわえたまま、右手にライフル銃、左手に拳銃をぶっ放しながら、4人の敵へと疾走します。問答無用のカッコよさでした!

ジョン・ウェインはとびきりハンサムではないし、演技派でもありません。けれども、言わず語らずのうちに、男ならではの雰囲気を作品の中に醸し出しています。存在そのものが尊いのですよね。本作では、ジョン・ウェインの持つおおらかさと骨太なユーモアが観る側に心地よさを与えてくれています。
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スターのお仕事バトン
2008-02-26 Tue 11:26

「虎猫の気まぐれシネマ日記」ななさんから、バトンをいただきました。ありがとうございます。お題は「スターのお仕事」です。バトンとは、あるテーマに複数の質問が用意されていて、指名された人がそれに答えるという、ネット上で流行しているゲームです。(ご存知だとは思いますが念のため・・・・笑)

1.映画に出てくる「刑事」といったら誰?

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刑事で真っ先に思い浮かべたのは「プレッジ」ですね。ジャック・ニコルソンが定年後の人生を受け入れられない刑事ジュリー・ブラックを渋く演じていました。プレッジとは約束ということ。母親と犯人逮捕の約束をしたジュリーが、妄想に取りつかれ、狂っていく様が恐怖でした。監督は俳優でもあるショーン・ペン。刑事と言えば、ピーター・セラーズのクルーゾー警部も捨てがたいですが・・・・。

2.映画に出てくる「犯罪者」といったら誰?

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犯罪者で真っ先に思い浮かべたのは、またまたジャック・ニコルソンの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」ですね。前科者の浮浪者フランク・チェンバースを演じ、ジェシカ・ラングとの官能的な世界を作り出していました。「ディパー・テッド」のマフィアのボス・コステロが次点です。あと、ピーター・セラーズの「紳士泥棒 大ゴールデン作戦」も挙げておきます。こちらは悪人には見えない変わった泥棒でした。

3.映画に出てくる「弁護士」といったら誰?

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弁護士で真っ先に思い浮かべたのは、しつこくも(笑)「イージー・ライダー」で、ジャック・ニコルソンが演じた酔いどれ弁護士ジョージですね。野宿しながらマリファナに酔い、アメリカの自由について哲学的談義を重ねていました。なのに、あんな殺され方をして・・・無念。次点は「いとこのビニー」でジョー・ペシ演じるビニー弁護士。この映画は抱腹絶倒のコメディでした。ラストは感動しますし、お薦めですよ〜。

4.映画に出てくる「医者」といったら誰?

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医者で真っ先に思い浮かべたのは、何の因果か(笑)ジャック・ニコルソンの「N.Y.式 ハッピー・セラピー」ですね。アダム・サンドラーを相手に、キレた精神科医バディをユーモラスに演じています。共演のジョン・タトゥーロの演技も可笑しかったです。次点は広義のドクターということで、「博士の異常な愛情」で、ピーター・セラーズが演じたストレンジラブ博士を。このキャラは強烈です。悪夢だ〜(笑)。

5.映画に出てくる「大統領」といったら誰?

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大統領で真っ先に思い浮かべたのは、いい加減にしろと言われそうですが、「マーズ・アタック」でジャック・ニコルソンが演じたジェームズ・デール大統領。外交面でなんとか業績をあげようと、火星人との外交関係の樹立を試みますが、最期はトホホなことになって可哀相でした(涙)。次点は「博士の異常な愛情」で、合衆国大統領を一人三役で演じた、ピーター・セラーズ。感情をかみ殺したような演技でした。

6.では、この人の「大統領」役を見てみたいと思うのは誰?
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海の向こうでは「初の女性大統領・ヒラリー」と「初の黒人大統領・オバマ」の実現にむけて、候補者指名争いが激化しております。ならば、どうでしょ?いっそのこと、黒人の女性大統領というのは・・・・ということでウーピー・ゴールドバーグ

7.最後に、映画に出てくるちょっと変わった職業で印象に残ってるのは何?

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ちょっと変わった職業ねぇ。「ファイブ・イージー・ピーセス」の石油採掘現場作業員か、「イーストウィックの魔女たち」の悪魔か「愛と追憶の日々」の宇宙飛行士か・・・・・挙げるとキリがないですね。あっ、全てジャック・ニコルソンが演じています。それが何か!(←居直る人間はタチが悪いですなっ)

すみません、こんなん出ました〜。ちょっと偏りすぎましたでしょうか・・・・・。リレー競技においては、アンカーが華。ということで、このバトンリレーのアンカーになりたいと思います。もし、やってもいいと思われる方が、おられましたらお願いします^^;

≪コピペ用≫
1.映画に出てくる「刑事」といったら誰?
2.映画に出てくる「犯罪者」といったら誰?
3.映画に出てくる「弁護士」といったら誰?
4.映画に出てくる「医者」といったら誰?
5.映画に出てくる「大統領」といったら誰?
6.では、この人の「大統領」役を見てみたいと思うのは誰?
7.最後に、映画に出てくるちょっと変わった職業で印象に残ってるのは何?
8.バトンを回す人たち

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シンドラーのリスト
2008-02-24 Sun 11:07
51SCRNJNWGL__SS500_.jpg 監督: スティーヴン・スピルバーグ
原作: トーマス・キニーリー
脚本: スティーヴン・ザイリアン
撮影: ヤヌス・カミンスキー
美術: アラン・スタルスキ
音楽: ジョン・ウィリアムズ
上映時間 195分
製作国 アメリカ
製作年 1993年
出演: リーアム・ニーソン (オスカー・シンドラー )
ベン・キングズレー (イザック・シュターン)
レイフ・ファインズ (アーモン・ゲート )


BSで放送していましたね。公開当時は、この映画にアレルギーがありました。スピルバーグがアカデミー賞狙いで作ったとか、ホロコースト博物館の開設にあわせて、映画を上映したといった非難があったからです(汗)。それまで「ジョーズ」「未知との遭遇」「E.T.」「インディ・ジョーンズ」といった娯楽作品を大ヒットさせた人ですからね。あのスピルバーグが、ホロコースト映画?計算があるのだろうな・・・という先入観がありました。「太陽の帝国」「カラー・パープル」のような作品もあったのですけれど・・・・。

しかし、「プライベート・ライアン」(1998年)を観て、スピルバーグは、エンターテイメントと知的必要性のある映画の間に横たわるギャップを、埋めることが出来る監督だということに気づきました。今「シンドラーのリスト」を観ると、以前とは違った感想になります。文句なく面白いです。面白いという表現は適切でないかもしれませんね。「笑う」という意味でなく「歴史認識」を刺激するという部分で面白いのです。あっと言う間の3時間15分でした。

本作は1200人のユダヤ人を虐殺から救った実在の人物オスカー・シンドラーを描いたノンフィクションを、生き残った人々の証言も含めてドラマ化した映画です。シンドラー(リーアム・ニーソン)は、ナチ占領下のポーランドに金儲けのためにやってきたドイツの実業家で、ドイツ軍部を買収して、収容所内のユダヤ人を労働力として使い、軍需産業の工場を経営します。ユダヤ人労働者は、ポーランド労働者より格安だったからです。そしてユダヤ人会計係のイザック・シュターン(ベン・キングズレー)に工場をまかせます。この辺りまで、シンドラーは、ビジネスマンの顔を崩しません。しかし新しい収容所の所長マーモン(レイフ・ファインズ)の無差別殺人を見かね、できるだけ多くのユダヤ人を自分の工場に受け入れることを決断します。ナチスを買収し従業員の命を買う・・・そのリストが「シンドラーのリスト」でした。

ホロコーストの恐怖。収容所の悪夢に苦しめられた人にとっては、忘れる事ができない悲劇でしょう。その記憶の一方で、ナチの戦犯がすべて死に、自分たちの人生が続いていることに対して、感謝の念が湧いてきているかもしれません。ユダヤ人を救ってくれた人間を、後世に語り継ぎたいという想いから「ホロコースト再学習運動」が生まれたと聞きます。この映画はユダヤ人の悲劇を描いた作品だとは思いますが、人道主義者のモラルも大きなテーマとなっています。観客を失うことなく、「ホロコースト」を伝えたスピルバーグの手腕。素晴らしい作品です。

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イル・ポスティーノ
2008-02-22 Fri 16:31
41E0D8YXX3L__SS500_.jpg監督: マイケル・ラドフォード
原作: アントニオ・スカルメタ
脚本: アンナ・パヴィニャーノ
マイケル・ラドフォード
フリオ・スカルペッリ
ジャコモ・スカルペッリ
マッシモ・トロイージ
撮影: フランコ・ディ・ジャコモ
音楽: ルイス・エンリケス・バカロフ
製作国:イタリア/フランス
制作年: 1994年
出演: マッシモ・トロイージ、 フィリップ・ノワレ、 マリア・グラツィア・クチノッタ、 リンダ・モレッティ 、 アンナ・ボナルート

【ネタばれしています】
時は1950年代の始め、ナポリ沖合いの小島に、詩人のパブロ・ネルーダ(フィリップ・ノワレ)が移り住んできます。フィリップ・ノワレの名を一躍有名にしたのは「ニュー・シネマ・パラダイス」の映写技師役でした。あのイメージが残っているので、インテリ詩人という役どころに、多少違和感を覚えましたが、観ていくうちに、映写技師のアルフレードは払拭できました(笑)。

ネルーダは、共産主義思想が込められている「虐げられた人々の詩」を地下出版したことにより、祖国チリを追われてイタリアへ亡命したのです。ネルーダに毎日手紙を届ける郵便配達員マリオを演じているのがマッシモ・トロイージ。マッシモは心臓病を患っており、この映画のクランク・アップの12時間後に亡くなったそうです。その事実を知った上で観ると、感傷的になってしまいます。隠喩的に言えば(隠喩という言葉、本作のキーワードです♪)一定のリズムを刻む私のハートに、小さな波動が起こりました。静かな感動作です。

詩人と郵便局員マリオは次第に心を通わせていきます。大先生と貧しい青年の関係。最初はよそよそしく、ぎくしゃくしたものでした。たぶんに大先生側に、青年を見下す気持ちがあったように見受けられます(汗)。しかし、マリオの素朴さは、ネルーダの心に変化を生じさせ、二人の間には友情が芽生えます。浜辺で海について語るふたりの距離は、物理的に精神的に縮まっていました。

村の娘に一目ぼれしたマリオが、詩人に相談をするくだりは微笑ましいです。「先生、恋に落ちたんです」「そんなの直ぐに治るよ」「いや、治りたくないんです」そうかぁ、病は病でも恋の病は患っていたいということですね(笑)。マリオの恋は詩人の仲立ちがあって成就し結婚に至ります。やがて詩人の逮捕命令が解かれ、ネルーダはチリに戻ることに・・・・。時の流れは二人の間に、微妙なズレを生じさせます。この部分が非常に繊細なのですよね〜。

この映画では、俳優陣の抑えた演技の素晴らしさに加え、島の風景が作品の香りを豊かにしています。波のうねり、岸壁に吹く風の音、石畳の町並み、満天の星空。マリオがひとり、浜辺を歩くシーンは影絵のような、はかなさを醸し出しています。自転車で丘を下っていくシーンは、どこか懐かしい風景です。郷愁たっぷりの映像の数々。

そしてラスト。亡くなったマッシモ・トロイージとマリオが重なってしまいます。息子の誕生前に逝ってしまったマリオの無念。共産党大会で詩を朗読する直前に起きてしまった悲劇。それでも、それでも・・・・。短い命であったけれど、輝きながら死んでいったのだから・・・。マッシモ・トロイージという俳優さんを心に留めたいです。
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細雪
2008-02-20 Wed 14:05
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監督: 市川崑
原作: 谷崎潤一郎 『細雪』
脚本: 日高真也
市川崑
撮影: 長谷川清
美術: 村木忍
音楽: 大川新之助
製作国 日本
公開年月 1983/05/21

出演: 岸恵子(蒔岡鶴子) 佐久間良子(蒔岡幸子) 吉永小百合(蒔岡雪子) 古手川祐子( 蒔岡妙子)
伊丹十三(辰雄) 石坂浩二(貞之助) 岸部一徳(板倉) 桂小米朝( 奥畑)江本孟紀 (東谷)

谷崎潤一郎の同名小説を、先日亡くなられた市川崑監督が映画化したドラマ。日本の四季折々の美しさと、日本女性の繊細な心が情感豊かに描かれています。時は昭和10年代、大阪船場の古いのれんを誇る蒔岡家の四姉妹(鶴子、幸子、雪子、妙子)を軸に物語は展開します。岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川裕子の共演は、背景の桜、五月雨、紅葉、雪以上の香しさを放っています。四美女が作り出す幻想の世界ですね。

穏やかなペースの陰で、深くゆったりとうねる物語の波。戦前の旧家に訪れる静かな変化に視点を置いて、やがては離れることになる四姉妹の日常を柔らかに描写しています。銀行員の辰雄(伊丹十三)を養子に迎え結婚した長女。次女も勤め人の貞之助(石坂浩二)と結婚し、芦屋に住んでいます。そこに居候する三女と四女。長女と次女の間には本家と分家の立場の違いからか、時として意見の対立がみられます。分家筋の次女方に、三女と四女が身を寄せるに至った理由は、映画の中ほどで説明されます。

吉永小百合の演じる三女雪子は三十路を過ぎて未だ独身です。当時の社会風潮からすると「世間体が悪い」ということになるのでしょう。長女と次女は縁談をまとめようと奔走します。雪子にばかり気をとられている姉らの注意を引こうと奔放な行動をとる四女。そんな姉妹をよそに、ひとり悠々と構えている雪子には、内なる思いがあるようです。雪子は口数少ないものの、芯が強く思慮深い女性です。妥協を知らない人柄は、長女と次女に「幸子さん、ねばりはったなぁ」と言わしめる、最良の伴侶を得ることに・・・・。それがエモやんとは(笑)

BSでは来月、追悼市川崑 監督特集が放送されますね。『ビルマの竪琴』(1956年)、『太平洋ひとりぼっち』(1963年)、『犬神家の一族』(1976年)、『おはん』(1984年)の計4作。『ビルマの竪琴』は是非とも観たいです。
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グランド・ホテル
2008-02-19 Tue 09:22
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監督 エドマンド・グールディング
脚本 ヴィッキー・バウム(原作)
ウィリアム・A・ドレイク
出演者 グレタ・ガルボ
ジョン・バリモア
ジョーン・クロフォード
音楽 ウィリアム・アックスト
チャールズ・マックスウエル
撮影 ウィリアム・ダニエルズ
公開 1932年
上映時間 112分
製作国 アメリカ合衆国


場所と時間を共有する人々を平行して描く手法を「グランド・ホテル形式」と呼ぶそうですね。この語源となったのがこの映画だとか・・・。アルトマン監督が得意とする群像劇も「グランド・ホテル形式」と言えそうですね。この手は主要人物が多く登場しますので、話の筋と登場人物の関係を見失うと、内容がわからなくなってしまいます。

「グランド・ホテル形式」の傑作『タワーリング・インフェルノ』は、有名俳優が数多く出演している映画でしたので、混乱せず楽しめました。しかし「グランド・ホテル」は、グレタ・ガルボとジョーン・クロフォードしか知りません(汗)。一抹の不安を感じましたが、各々の人物像がクリアに描かれており、主人公たちを理解し易い作りになっていました。

舞台はベルリンのグランド・ホテル。登場人物の紹介方法がユニーク。ホテルからかけた電話の内容で、各々の置かれた状況がわかります。病院に妻の出産を問い合わせる給仕長に始まって

☆ベルリンに専門医を訪ね、診察結果を家族に伝えているクリンゲライン(ライオネル・バリモア)
☆クリンゲラインの雇い主で、他社との合併話の進捗状況を家族に報告しているプレイジング(ウォーレス・ビアリー)
☆落ち目の踊り子・グルシンスカ(グレタ・ガルボ)の身体の不調を、劇団に伝えるマネージャー
☆借金を抱え金策に走るガイゲルン男爵(ジョン・バリモア)
彼らに☆キュートな女性速記者のフレムヒェン(ジョーン・クロフォード)が絡んできます。

主要な登場人物は自分の怒れている状況に不満や不安を持つ人たちです。不治の病、借金、倒産、才能の限界・・・・への恐れを抱きながら生きている人たちを、一人ひとり丁寧に煩雑にならぬように扱っています。その数5人。アルトマン監督の20人、30人に比べると少ないですね。私のように頭のネジが緩んでいる人間には5人ぐらいだと有難いです(笑)。

ホテルは人が来ては去り行く、何事もなかったように・・・・偶然に居合わせた人々が見えない糸で繋がって織り成すドラマ。その行き着く先にあった殺人事件。もしもあの時、あの巡り会わせがなければ・・・人生とは偶然の集積なのかもしれませんね。

PS:グレタ・ガルボが美しい〜♪
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ロミオとジュリエット
2008-02-16 Sat 19:18
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監督: フランコ・ゼフィレッリ
原作: ウィリアム・シェイクスピア
脚本: フランコ・ゼフィレッリ
フランコ・ブルサーティ
撮影: パスクァリーノ・デ・サンティス
音楽: ニーノ・ロータ

出演: オリヴィア・ハッセー (ジュリエット)
レナード・ホワイティング( ロミオ )
マイケル・ヨーク
ブルース・ロビンソン
製作年 :1968年
製作国 :イタリア

とっても懐かしい映画がBSで放送されました。中学生の時、リバイバル上映されたのを観てハマりました。部屋にポスターを貼っていたほどです。「お〜ロミオ、ロミオ、なぜロミオなの〜」老若男女がこぞって映画館へ押し寄せた映画です!

ロミオとジュリエットは、過去に何度も映画化されています。ジョージ・キューカー監督(1936年アメリカ)、レナート・カステラーニ監督(1954年イギリス)、 リカルド・フレーダ監督(1964年イタリア)、バズ・ラーマン監督(1996年アメリカ)など・・・。このうち、レオナルド・ディカプリオの主演作(1996年)は観ましたが、あまり記憶に残っていません。物語を現代に移したものでしたね。私にとって「ロミオとジュリエット」はフランコ・ゼフィレッリ監督作(1968年イタリア)です♪

久しぶりに観ると、懐かしいという感想しか・・・・。シェイクスピアの戯曲を元に作られているので、オーバーなセリフと仕草は致し方ないのかな(笑)。昔はあんなに夢中になったのに・・・感性が鈍ったのでしょう(苦笑)。しかし、バルコニーで愛の言葉を交えるシーンは、今観ても胸がキュンとします。「耳がその舌を伝う言葉を歓迎している」う〜ん、愛する者は詩人になりますねぇ。

映画の最大の魅力は、オリヴィア・ハッセー とレナード・ホワイティングの、若々しい美しさだと思います。オリヴィア・ハッセーの可愛いこと!地上に降りた天使のようです。本作に続いて公開された『失われた地平線 』(1973) も、映画館で観たのですが、内容を覚えていないのですよねー。人が円を作って踊っていた、原色の衣装を着ていた・・・といった断片的な記憶しかありません。思春期だった私は、ニーノ・ロータ作曲のテーマ曲を聞きながら、悲恋に酔いしれたのでした。

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プラトーン
2008-02-14 Thu 16:06
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監督 オリヴァー・ストーン
製作 アーノルド・コペルソン
脚本 オリヴァー・ストーン
出演者 チャーリー・シーン
ウィレム・デフォー
トム・ベレンジャー
フォレスト・ウィテカー
ジョニー・デップ
音楽 ジョルジュ・ドルリュー
撮影 ロバート・リチャードソン
公開 1986年
上映時間 120分
製作国 アメリカ合衆国


BSで放送されていましたね。リアルタイムで鑑賞したのを含め、5回ぐらいは観たと思います。この映画と「ハンバーガー・ヒル」は、凄惨な戦闘シーンのためか、公開時には、センセーショナリズムがつきまとっていました。70年代には、ベトナム戦争をテーマにした「帰郷」「ディア・ハンター」「地獄の黙示録」などが作られています。「帰郷」は帰還兵の苦悩、「ディア・ハンター」にはベトナムの悪夢、「地獄の黙示録」はベトナムの虚像を描いたものでした。

「プラトーン」では、これらの作品に見られた叙情的、観念的な部分を徹底的に排除しています。リアルな戦闘シーンによって、戦争の恐怖が、残酷かつ鮮明に伝わってきます。敵味方の砲撃音と光、手榴弾の響き、銃声、兵士の叫び声。まさに地獄絵さながらの光景です。

第二次世界大戦を扱った映画には、黒人兵はほとんど登場しませんね。従軍はしていたそうなので、荷駄の役といった非戦闘要員だったのでしょうか・・・・。本作では多数の黒人兵にスポットを当てています。ベトナム戦争は徴兵制だったと思うのですが、黒人が徴兵される率は高かったのでしょうか?映画の中の歩兵部隊は、黒人と貧しい家の者ばかりです。故郷の恋人に宛てた手紙に、dearをdereと書いてしまう、十分な教育を受けていない若者たちです。白人の志願兵クリス(チャーリー・シーン)は呟きます。「貧しい彼らが国や自由のために戦っている。底辺の人間だと自覚しながら、自らを「歩兵」と呼べるのは忍耐力があるからだ」と。

一般的な戦争活劇には泥臭さがありません。カッコイイ軍服を着込んだ将校を中心に、困難な指令を団結して遂行する様子が描かれています。戦車、軍鑑、爆撃機、機関銃といった小道具は必須。ところが、ベトナム戦争はゲリラ相手の戦争ですから、華々しさとは無縁。団体戦でなはく個人戦の様相を呈しています。それもジャングルの中、姿を現さない敵との息詰まる心理戦。兵士の間には狂気が蔓延し、人間らしさを失っていきます。ベトナム戦争をテーマにした作品のほとんどは、反戦というよりも厭戦を訴えてきますね。
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或る夜の出来事
2008-02-12 Tue 12:57
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今でも十分に通用するお笑いセンスと、古典的なダンディズムが同居している作品です。主演は『風と共に去りぬ』のクラーク・ゲーブル、『女は嘘つき』のクローデット・コルベール 。監督は『スミス都へ行く』のフランク・キャプラ。アカデミー五冠(作品賞、監督賞、主演男女優賞、脚色賞)に輝きました。ちなみに、「カッコーの巣の上で」も五冠を達成しました^^;
1934年 アメリカ

結婚に反対され父親のもとから逃げ出した資産家令嬢エリー(クローデット・コルベール)と新聞社をクビになった記者ピーター(クラーク・ゲーブル)。ふたりがニューヨーク行きの深夜バスに乗り合わせたことから始まる珍道中。始めのうちはケンカばかりのふたりが、だんだんと心を通じ合わせて、最後は・・・・に。容易に想像できる結末ではありますけれど、そこに至るまでの、さまざまな出来事が何とも楽しいロード・ムービーです。

ロープと毛布を使った「ジェリコの壁」で、ベッドとベッドの間を仕切るシーン。エリーがスカートの裾をめくってヒッチハイクをするシーン。ピーターがエリーを肩車して川を渡るシーン。畑で盗んだ人参を生のまま食べるシーンなどなど・・・・

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旅が進むにつれての、ふたりの関係が変化していく様が巧みに描かれています。最初は鼻っぱしの強いわがまま娘だったエリーが次第に、従順で素直な娘へと変貌します。逞しくて頼りがいのある男性の前では、子羊になるのかしらん。ピーターが歌う「オオカミを恐がるのは誰〜悪いオオカミ〜♪」の歌詞に笑っちゃいました。しきりと男らしさを誇示しているのですよね(笑)。男は女を守るものだという信条に基づく、必死の痩せ我慢が可愛いです。「男はつらいよ」ということ(笑)。ミスター・ダンディ、クラーク・ゲーブルの魅力がいっぱい詰まった映画です。

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許されざる者
2008-02-09 Sat 17:36
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「許されざる者」は1960年のジョン・ヒューストン監督作と1992年のクリント・イーストウッド監督作があります。ジョン・ヒューストン監督の「許されざる者」は観ていますが、イーストウッド監督の方は未見でした。タイトルは同じですが、内容は全く違います。
1993年度のアカデミー賞の作品賞、監督賞(クリント・イーストウッド)、編集賞、助演男優賞(ジーン・ハックマン)を獲得した傑作西部劇。

2月はアカデミー賞月間。スタチャン、WOWOW、BS等で過去の受賞作品の特集が組まれていますね。録画機器(計4台也〜笑)をフル稼動させて、未見作と再見作、なるべく多く観るようにしています。撮り貯めている作品がかなりあるのに、「許されざる者」のDVDを買ってしまいました(汗)。映画を観るのに大忙しで、ブログを更新する時間がぁ〜(笑)。

物語はひとりの娼婦が客のカウボーイに顔を切りつけられたことに始まります。この事件に対する、保安官リトル・ビル・ダゲット(ジーン・ハックマン)の裁定に問題があったのです。被害者は売春宿のオーナーのみとされ、賠償として馬が支払われる事に。傷つけられた娼婦には、何も支払われませんでした。これに怒った仲間の娼婦たちは、カウボーイに懸賞金をかけます。

娼婦の話は、妻に先立たれた、かつての無法者ビル・マニー(クリント・イーストウッド)のところまで届きます。過去を悔やみ、今は平和主義者となり、穏やかな生活の中で幼いふたりの子供育てているマニー。しかし、その生活は苦しいものでした。貧困から子供を救うため、再び銃を手にし、最後の殺しを決意します。

初老にさしかかったマニーの手は若い頃のように動いてくれません。それでもマニーは親友のネッド・ローガン(モーガン・フリーマン)と昔の仲間の息子スコフィールド・キッド(ジェームズ・ウールベット)を伴って、賞金稼ぎの旅に出ます・・・・。

保安官役のジーン・ハックマンの演技が素晴らしい!保安官という権威を振りかざし、公の暴力で街を支配する暴君ぶりに、不気味な恐怖を感じます。保安官の理不尽な暴力と賞金稼ぎの正義の名のもとの殺人。どちらも暴力に違いないのです。「許されざる者」では突如として強烈な暴力が起こります。しかし、全て意味があり成り行きではないとイーストウッド監督は言います。暴力や殺人の非道さを重々しく表現することで、昔からあるヒーローのスタイルを解体し、西部劇の決まりごとからの脱却を図ったのでしょうね。

本作ではラスト、正義の勝利に酔いしれるヒーローの姿はありません。「許されざる者」が問いかけるの暴力の本質。殺人の代償は金ではあがなえないと教えてくれます。奥深い映画です。
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