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2009.08/10(Mon)

秋山真之

司馬さんの『坂の上の雲』を読むまで、私は秋山真之という軍人を知らなかった。日露戦争では連合艦隊作戦主任参謀となり、日本海海戦においてバルチック艦隊を7段構えの作戦により撃破し、海戦史上何ものもなしとげなかった完全勝利の立役者である。また「天気晴朗ナレドモ波高シ」の電文や「連合艦隊解散の辞」は秋山が起案したもので、最後の一文、古人日ク勝テ兜ノ緒ヲ締メヨト(昔のことわざにも教えている「勝って、かぶとの緒を締めよ」と)が有名。名文家でもあった。

新人物往来社から刊行されている『秋山真之のすべて』を読んだ。新人物往来社の「○○のすべて」シリーズは、歴史上の人物を複数の人が執筆するというスタイルをとっている。戦国時代の武将のものは何冊か読んだが、幕末・明治時代の人は初めて。明治ともなれば、一次史料も現存するであろうから、雲をつかむ話ではなさそう、期待が膨らむ。

akiyama.jpg

各章と執筆者は ①秋山真之ー人と風土・・・田中歳男 ②秋山と明治海軍・・・野村実 ③海軍兵学校から日露戦争終結まで・・・志摩亥吉郎 ④秋山兵術の秘密を探る・・・篠原宏 ⑤その後の秋山真之・・・田中宏巳 ⑥秋山真之エピソード妙・・・生出寿 ⑦資料(官歴 秋山の意見書 秋山の著作と伝記)

この中で特に面白かったのは『秋山真之エピソード妙』。
名戦術家秋山にはいくつもの奇癖があった。その一つが立ち小便。桜の木の根もとに、海軍少佐の軍装のまま、じゃあじゃあとひっかけていた。アメリカに留学していたころは特にひどかったらしい。知り合いの米造船技師の家のベルを押した秋山は、急に思いついたように植え込みのあるところへゆき、小便をひっかけはじめた。それを終えると、出迎えた婦人になにくわぬ顔で「ハロー、ハウ・アー・ユー」と言って、いま小便をしたその手で、知らぬがホトケの夫人としっかり握手をした。大きな音を立ててオナラをする変なクセもあった。以下、本からの抜粋(私の表現ではありませんからねっ)飯田久恒少佐の話として・・・日本海海戦時、秋山先任参謀はことさら力を入れて、勢いよく、屁をぶっぱなす。ぶっぱなしておいて「あ、屁か」と屁でもないようにいう。飯田はあきれて「この人は頭がいいから名参謀だが、ふつうだったら変人だ」と思った・・・

食べることにかけては野猿みたいなところがあった。年から年中、上衣のポケットに、えんどう豆かそら豆の煎ったのをいっぱい入れていて、時も所もかまわず、ぽりぽりかじっているのを、周りは類人猿でも飼っているつもりで我慢していたそうだ。衣装、身なりも、およそ文明人とちがっていた。みすぼらしい木綿の風呂敷をぶらさげて歩く姿は、古着屋の丁稚のようであった。艦に乗れば、甲板上どこにでも、猿みたいにひょいと腰かけるので、いつもズボンが汚れて薄汚ない。そんな風であるからエチケットもおかまいなしだった。司令長官と幕僚たちとの食事の席では、食べ終えると、その場で靴下を脱ぎ、足をあげて水虫をゴリゴリかきだす。秋山は野原を歩きまわる原始人のようだった(笑)。秋山のことを俳人の河東碧梧桐は「全エネルギーを職務にうちこんで、そのほかはすべて省略してしまった男」と言っている。

秋に放映される『坂の上の雲』では本木雅弘さんが秋山を演じる。おそらく不潔な秋山ではなく、清潔でさっそうとした秋山真之になってしまうんだろうな。
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テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

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