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2010.09/04(Sat)

結婚しない女

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軽やかで都会的な音楽が流れるオープニング。カメラはニューヨークの朝の風景を映し出す。ハドソン河にかかる橋、マンハッタンのビル群、車の往来・・・。そんな中を黙々とジョギングする夫婦がいる。夫が犬のフンを踏んでしまい、毒づく。とてもイラついているようだ。走り終えた夫婦はニューヨークを一望のもとに見渡せる、高層アパートに戻り出勤準備を整えた。

妻エリカ(ジル・クレイバーグ)、夫マーティン(マイケル・マーフィー)。マーティンはウォール街の取引所で働くエリート。結婚生活は16年に及び、15歳の娘がいる。エリカは物質的にはかなり恵まれた環境にいる女性と言えるだろう。ところが、ある日突然、エリカの平穏な生活にピリオドを打つ事件が起きた。夫婦でランチを共にし歩く道すがら、急に夫マーティンが泣き出し「女がいる。彼女を愛してるんだ、付き合って1年になる」と打ち明けたのだ。それを聞くジル・クレイバーグの表情が良い。ショックと言うよりも、泣きじゃくる夫に呆れかえり言葉を失い、その場を去る。雑踏を歩くにつれ、湧きあがってくる怒りと絶望が微妙な変化のうちに刻まれる。夫に依存しながら、その所有物のように生きてきたエリカ。しかし離婚という人生の緊急事態に戸惑いつつも、女友達に励まされ、カウンセンリングに通ううちに、本来の自分を取り戻していく。それは女房でも母でもない一人の女性として自立することであった。

今でこそ、結婚しない女は珍しくもなんともないが、本作が公開された70年代後半は、まだまだ結婚にとらわれる女性が多かったように記憶する。大学の抗議で女子労働論の先生が、女性の自立について熱っぽく語っておられた。学生時代の友人の間では「主人」や「嫁」という言葉はNGワールドであり、「夫」「妻」でなければならない(笑)。私はジェンダーフリーに賛成でも反対でもないが、「女の私から言わせてもらうと・・・」で始まる文言はキライだ。

エリカは離婚してはじめて結婚の意義を考える。自分は売春婦と同じ存在だったのかも・・・とため息をつく。次に取った行動は大胆であった。罪悪感のスイッチを切り、愛してもいない男と関係を結び、自分を解放することを試みる。が、感情の爆発は得られず、空しさしかない。また会いたいという男を袖に振るエリカ。寂しいと落ち込んでいたのがウソのようだ。こういう所は女性の方が男性よりもドライに出来ている。メメシイという字は女々しいから男々にしてほしいと言ったら男性に叱られるかな?(笑)

やがてエリカは前衛画家のソール(アラン・ベイツ)と愛し合うようになる。ソールの気持ちは結婚を視野に入れてた真剣なもので、夏の休暇を一緒に過ごすことをエリカに提案する。しかしエリカはこれを断り、仕事を持ち自立する道を選ぶ。元の夫からの復縁話もきっぱりとはねつける。誰かに所属することは、もうやめようと決めたのだ。その選択はときめくように陽気ですがすがしい。人生、いろいろ。つまづいても進むしかないのだと思う。


ジャック・ニコルソンの館『結婚しない女』から
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タグ : 70年代の映画

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