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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
2008-04-29 Tue 22:46
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原題: There Will Be Blood
監督・脚本: ポール・トーマス・アンダーソン
原作: アプトン・シンクレア
撮影: ロバート・エルスウィット
音楽: ジョニー・グリーンウッド
美術: ジャック・フィスク
製作国: 2007年アメリカ映画
上映時間: 2時間38分
出演:ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ、ケビン・J・オコナー、キアラン・ハインズ、ディロン・フレイジャー、ラッセル・ハーバード、ランダル・カーバー


どことなく、西部劇っぽい感じがしたので観に行きました。監督のポール・トーマス・アンダーソンは1970年生まれ。ということは「ブギーナイツ」と「マグノリア」は20代の時の作品!両作品ともテーマがねぇ・・・・・笑。「パンチドランク・ラブ」も観ましたが断片的な記憶しかございません(汗)。これらと本作が同じ監督の手によるものとは思えない。あまりにもカラーが違いすぎます。主演のダニエル・デイ=ルイスはカメレオン俳優と称されていますけれど、監督も変幻自在に作風を変えてくるタイプなのでしょうかね。次回作が楽しみです♪

1998年・・・のクレジットで映画は始まります。ひとりの山師(ダニエル・デイ=ルイス)が一心不乱に何かを掘っている。荒い息遣いと鼻息。尋常ならざる気配に「異常」を感じます。彼には悲劇的な欠陥がありそうなのですが、その因については触れられていません。石油を掘り当て富を得るにつれ、次第に現実とかい離し、彼自身の世界へ閉じこもっていく石油王ダニエルの姿が、深くじっくりと描かれています。最初の部分で、ダニエルの異常な部分を示し、後の変化が当たり前のように思わせてしまう脚本が見事。

「金をためて人との関係を絶ちたい」「人を妬んで人の不幸を喜ぶ」と言うダニエルとは何者なのでしょうね。家族の愛を知らずに育ったのか、誰かにひどく裏切られたのか・・・・。息子として育てた者への仕打ち、弟を名乗った男への復讐に、その答えがあるように思われます。屈折した心を持つ男の成功が狂気を増大させ、周りの人間だけではなく、自分自身を攻撃してしまった・・・・悪いヤツの魂は、どこまでも罪深いものなのですね。魂の浄化を石油という黒い血で行なおうとして、結局は破滅した男の物語というところかなぁ。

ダニエルの宿敵として登場する伝道師のイーライ(ポール・ダノ)もまた、歪な人間です。根本的に相容れないダニエルと確執を重ねつつ、互いを利用しあう因縁が不気味な緊張感を生み出しています。成功に酔いしれ自分を預言者と思い込む欺瞞と傲慢。自己顕示欲の強さゆえの伝道活動だったのでしょうか。ラスト、偽預言者と罵られながらも必死にダニエルにすがる姿が憐れです。所詮は同じ穴のムジナ。

人の心の醜悪さを際立たせるが為のような映像も秀逸です。油井やぐらの爆発炎上は何かを暗示しているようなシーンでした。広大な荒野に突然巻き上がる炎と煙、爆音の凄まじさ。この事故をきっかけに、ダニエルはモンスター化したように思えます。彼の中で何かが弾けたのか。黒い煙幕は悪魔の雄たけびのようでした。傲慢、冷酷、虚勢、強欲の前方には破滅が待ち構えているのだと思い知らされる一作です。
別窓 | 映画 | コメント:5 | トラックバック:1 |
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この記事のコメント
監督さん、役者さん
まったく知りませぬ。すみません。
もちろん、土肥中、字、鼻藻家羅の映画館ではやっていません。
でも、おもしろそうですね。
昔、「ジェイコブス・ラダー」のラストシーンで「はーん、なーるほど」と納得したことがありますが、そんな作りかたなのでしょうか。

2008-04-30 Wed 08:40 | URL | スタンリー #-[ 内容変更] | top↑
明日1000円の日
に「明日への遺言」を観にいこうと思います。
今頃来ているのですよ。なさけなや。
2008-04-30 Wed 09:09 | URL | スタンリー #-[ 内容変更] | top↑
スタンリーさんへ
主演のダニエル・デイ=ルイスは、この映画でアカデミー賞の主演男優賞をとりました。「ギャング・オブ・ニューヨーク」や「ラスト・オブ・モヒカン」に出ていました。いつも手になにかを持って振り回している役が多いですね(笑)。
監督のポール・トーマス・アンダーソンは若手で、まだ本数が少ないので知名度が低いかもしれませんね。

土肥中と鼻藻家羅が漢字になってる(爆)。そうかぁ、由緒ある(?)地名なので漢字表記だとは思っていたのですけど(笑)。

「ジェイコブス・ラダー」・・・あ〜ありましたね。ぼんやりとしか覚えていないのですが、「ゼア・ウィル・・・・」は幻覚であってほしい悪夢のような現実を描いています。

お〜、観にいかれますか!感想が楽しみです♪あっ、今日で4月が終わりますか。
2008-04-30 Wed 09:14 | URL | マーちゃん #jIgFQiZc[ 内容変更] | top↑
ものすごくパワフルな作品でした。
デイ=ルイスはもちろん、すごいですが、ダノ君がよく対抗したものだと思います。
音楽も素晴らしい。完璧かも。
主人公が、なぜああなったのかは、想像するしかないですが、愛がなければ、成功も虚しいですね…。
見応えのある人間ドラマでした。
2008-05-08 Thu 08:14 | URL | ボー #0M.lfYJ.[ 内容変更] | top↑
ボーさんへ
悪いヤツが主役の映画は、ありそうであまりないですよね。
一見、悪そうでも、どこか憎めないところがあったり、血が通っている部分が見受けられたりと・・・・。ところがこの映画の主人公デイ=ルイスとダノ君は、徹底的に悪でしたね。ホラー映画に出てくる魔物のような二人でしたよ(汗)。
ダノ君はデイ=ルイスより、始末に負えない悪でしたねぇ。憎々しい感じがよくでていました。巧かったです!「リトル・ミス・サンシャイン」に出ている少年ですね。
冒頭はセリフがなく、音楽だけで登場人物の心情を表現していましたね〜。
ボーさんの仰るとおり、音楽も含めて、全てを練りに練った完璧な作品でしたね。
やはり、人生、愛☆ですね。「最後に愛は勝つ〜♪」という歌がありましたっけ。。。。
2008-05-08 Thu 10:12 | URL | マーちゃん #jIgFQiZc[ 内容変更] | top↑
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ひとりの石油採掘人の強烈な生き方を描く。 ダニエル・デイ=ルイスの演技のうまさと、ポール・ダノのうさんくさい存在感。 …
2008-05-08 Thu 07:15 或る日の出来事
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