HP「ジャック・ニコルソンの館」を立ち上げました。よかったら覗いてみてくださいネ♪
虎の尾を踏む男達
2008-05-13 Tue 10:45
toranoo.jpg
監督: 黒澤明
脚本: 黒澤明
撮影: 伊藤武夫
美術: 久保一雄
編集: 後藤敏男
音楽: 服部正
上映時間:59分
製作国:日本
初公開年月:1952 制作年:1945
出演: 大河内伝次郎 、藤田進 、榎本健一 、森雅之、志村喬 、河野秋武、小杉義男、横尾泥海男、仁科周芳


「旅の衣は篠懸(すずかけ)の、露けき袖やしをるらん〜♪」と
「虎の尾を踏み、毒蛇の口を〜♪」が頭に貼りついて離れません(笑)。ワンコを散歩させる初夏の道「旅の衣は篠懸の〜」と小声で歌っております。時に「虎の威を借るピーコちゃん〜」(*愛犬の名)とか「獲らぬ狸の皮算用〜」と変化することも(笑)。この歌がオリジナルなのか、能や歌舞伎に使われている曲なのか、分からないのですが、日本的な響きを持つ耳に残る音楽ですね。

歌舞伎十八番「勧進帳」をもとに、義経と弁慶ら一行の安宅(加賀)の関所越えが描かれた作品です。歌舞伎に疎い私でも「勧進帳」は知っています。弁慶の「飛び六方」が有名ですものね♪義経と弁慶の主従愛は日本人に好まれてきた題目。義経役の仁科周芳は「判官びいき」が納得する(?)悲哀に満ちた美しさです。義経と浅野内匠頭は美男役者が演じてこそ、人の心を掴むのでしょう。両者とも歌舞伎で有名になりました。弁慶を演じているのは大河内伝次郎。安宅の関での富樫左衛門とのやり取りは若干、聞き取りづらいのですが、迫力の演技で気持ちが伝わってきます。

聞けばこの映画、戦時中に作られたとか・・・・驚きです。戦時中だからと、プロパガンダ映画ばかりが作られていたわけではないのですね。緊迫する社会状況の中、よくぞこれほど楽しい映画が出来たものだと感心します。物資、人手不足があったでしょうに、戦争で疲弊した人々を励ます、力強い作品に完成しています。力強さは大河内さん、楽しさは榎本健一さんによって、もたらされたものでしょう。私、エノケンさんの演技を始めて見ました。小柄な体から発せられる笑いのパワーに圧倒されます。滑舌の良いセリフ、ころころと変化する表情、全身バネのような瞬発力が生み出す突拍子もない動き。そのパフォーマンスのクオリティの高さは見事のひとことに尽きます。ヒヒヒヒという特徴的な笑い方は、この作品に限ってのものなのでしょうか?

弁慶が何も書いていない巻物を勧進帳に見せかけ読み上げるシーンと義経を打ち据えるシーンは、この映画の見せ場。富樫左衛門の見せた武士の情けも良いですねぇ。富樫の使いの者が注ぐ酒を、豪快に飲み干す弁慶、酔いがまわった強力の踊りも楽し・・・です。目覚めたエノケンが弁慶のかわりに「飛び六方」で退場しました。やっぱ、これがなきゃ(笑)。
別窓 | 黒澤映画 | コメント:7 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント
ご覧になりましたか。
マーちゃんの優しいお気持ちに感謝感謝です。コメントを差し上げる前に、前回は忙しいとか余計な言葉を吐きまして失礼しました。今日のように余裕のある日もありますので、呉々もお気を遣って頂きませぬようお願いします。
さて、この映画TB差し上げようと思ったら、私のレビューは未だでした。(笑)
これだけのシンプルな内容なのに、斯くも丁寧に観て居られるマーちゃんに敬服します。
「姿三四郎」もそうですが、当時は社会的な電力不足時代でして、撮影用の照明電力も制限があったのではないか?と思っているのですが、画面が暗いですね。
音質も当然悪いです。当時映画館の音響は独特のものがありまして、俳優のセリフも、人間の自然の肉声ではありませんでした。でも私はこの時代が懐かしいです。
榎本健一は日本の喜劇王、エノケンとして君臨していました。ヒヒヒヒという特徴的な笑い方は、この作品に限ったものではありません。
例えば、エノケンのちゃっきり金太というように、エノケンの後に、鞍馬天狗とか、猿飛佐助とか、近藤勇とか、森の石松とか、孫悟空とか、法界坊とかの名前をつけた作品が目白押しでした。
私はエノケンのホームラン王(48)が記憶の断片にあります。清川虹子という喜劇女優と呼吸があっていましたね。では、また。
2008-05-13 Tue 13:23 | URL | アスカパパ #xq6o7d/.[ 内容変更] | top↑
アスカパパさんへ
忙しいときでも、周りへ気遣いをなされるアスカパパさんの寛容なお心根にふれ、こちらの方こそ、大感謝しております。ありがとうございます。お忙しいとは思いますが、あまりご無理をなさりませぬように。

この映画の上映時間は1時間ほどですね。ここまで短いと重箱の隅を楊枝でつつくような見方になります。私にしては珍しく、集中力を保ったまま最後まで楽しむことができたということです(笑)。

「姿三四郎」は街の人ごみを映したシーンが暗かったです。電力不足時代だったからですか・・・・あ〜、なるほど!大きなセットでの撮影は、照明電力を多く必要としますものね。そういうことからも、時代を感じることが出来る作品ですね。私はフィルムが痛んでいるのかと思いました。読みが浅くてお恥ずかしい。。。音質も時代が経って劣化したのではなく、そういう音質だったのですね。そんな条件でも、エノケンさんの声だけはハッキリしていました。よく通る声の持ち主だったのでしょうね。シロクロの暗い画面と聞き取りにくいセリフ、これらも懐かしい味なのですね。CGにはない温かみがありますね。

エノケンさんのヒヒヒヒ、インパクトがありました〜。都合が悪いときや照れたとき、間が持たないときにヒヒヒヒで誤魔化すのですよね〜。可笑しかったですぅ。そうですかぁ、この映画に限ったものではないのですね(笑)。冠映画が何本もあるほど大スターだったのですか。猿飛佐助、森の石松、孫悟空というのはエノケンっぽいキャラですが、近藤勇というのは・・・・笑。清川虹子さんはリアルタイムで知っています。へぇ、エノケンさんとコンビを組むことが多かったのですか。いろいろとありがとうございます!エノケン映画が見たくなりました。
2008-05-13 Tue 14:24 | URL | マーちゃん #jIgFQiZc[ 内容変更] | top↑
はじめまして^^
突然おじゃましちゃいました^^;

よければ私のHPものぞいてくださいね (^^♪
2008-05-13 Tue 16:08 | URL | はな #-[ 内容変更] | top↑
エノケンの映画
ではアスカ・パパさんの記述のものでは「近藤勇」、「ちゃっきり金太」、「法界坊」、「孫悟空」を観ていますが、みんなBSで放送したものです。
{近藤勇」では「ピーナッツベンダー」の曲でチャンバラがあります。傑作ですね。
また再放映されると思いますので、お見逃し無く。
「エノケンの水滸伝」ではスタント無しのジーン・ケリー顔負けのシーンがあります。
シャンデリアに飛び掛って落下するのですが、なんでも三日間意識不明になったとか。本編を観たいですね。
2008-05-13 Tue 20:08 | URL | スタンリー #-[ 内容変更] | top↑
スタンリーさんへ
スタンリーさんもエノケン映画をたくさんご覧になっていますね。今まで、この年代の日本映画に対し、あまり興味を持てなかったので、放送されても気づかなかったのですね。黒澤映画に触れ、戦前、戦中、戦後の日本映画の良さが少しずつ分かり始めています。
「近藤勇」はチャンバラ劇なのですね。そうか、そうか、エノケンらしいテンポのある時代劇みたいですね。再放送は見逃さないようにしなければ!「虎の尾を・・・・」で見せたエノケンの身体能力の高さに驚きました。ジーン・ケリーのような役者は日本にはいないと思っていたのですが、日本にはエノケンあり!ですね。シャンデリアに飛び掛って落下ですか?!落下とは凄いですね。危ない!スタントマンでも避けたくなるような危険なアクションではないですか!そんな体当たりの演技に皆、惹きこまれたのでしょう。今まで喜劇役者ということしか知らなかったのですが、とんでもない人だったのですねぇ。エノケンから元気をもらった人は多いでしょうね。あんな役者さんが日本にいたということを知り、ちょっぴり嬉しくなりました。
2008-05-13 Tue 20:59 | URL | マーちゃん #jIgFQiZc[ 内容変更] | top↑
昨夜、ルーマニア映画「世界の終わりの過ごし方」って言う映画、ご覧になりませんでしたか???ルーマニアについては殆ど知らないぁのですけど・・・ちょっと考えてみたい映画でした。
2008-05-16 Fri 08:11 | URL | 山口ももり #-[ 内容変更] | top↑
山口ももりさんへ
「世界の終わりの過ごし方」・・・?どこかで聞いたタイトルだなぁと思ったら、数日前に録画予約をセットした映画でした(笑)。ももりさんはご覧になったのですね。私も数日中には見るつもりです。私もルーマニアについては、ほとんど知りません。チャウシェスク大統領を糾弾しようと、広場に人が集まる映像を見たときは驚きましたが・・・。革命だ!って。あと、体操のコマネチやドラキュラ伯爵ぐらいしかわかりません(汗)。
2008-05-16 Fri 10:06 | URL | マーちゃん #jIgFQiZc[ 内容変更] | top↑
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