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2011.02/25(Fri)

屋根の上のバイオリン弾き

Fiddler_on_the_Roof.jpg監督: ノーマン・ジュイソン
製作: ノーマン・ジュイソン
原作: ショーラム・アレイハム
脚本: ジョセフ・スタイン
撮影: オズワルド・モリス
プロダクションデザイン: ロバート・ボイル
音楽: ジョン・ウィリアムズ
上映時間: 179分
1971年アメリカ映画

出演: トポル ノーマ・クレーン レナード・フレイ
モリー・ピコン ポール・マン ロザリンド・ハリス
レイモンド・ラヴロック マイケル・グレイザー
ハワード・グーニー ルイス・ゾリック
バリー・デネン ペイシェンス・コリアー



帝政末期のウクライナのアナテフカ村に暮らすユダヤ人一家の喜びと悲しみを、詩情豊かに綴ったミュージカル映画の傑作。一家の長女の結婚式で歌われる『Sunrise Sunset』が有名である。日は昇り日は沈み、時は流れ過ぎてゆく。まいた種は一夜で花になり咲き誇る・・・
映画はアステフカ村の夜明け風景で幕をあける。昇る太陽と鳥の鳴き声、屋根の上ではバイオリン弾きが、バランスをとりつつ曲を奏でる。村人たちは、このバイオリン弾きと同じだ。古いしきたりにくるまり、深くゆうったりとうねる危うい時代の波から、身を守って生きている。

Fiddler.jpg

牛乳屋テビエ(トポル)は妻ゴールデ(ノーマ・クレイン)と5人の娘と暮らしている。デビエの生活は、信仰としきたりの上に成り立っている。神から与えられた運命を素直に受け止めて、しきたりを守って生きていくことが何よりも大切なことなのだ。これはユダヤ人の多くに共通する思想なのだろうか。

安息日を前に村人たちは準備に忙しい。牛乳屋テビエ(トポル)の家の女たちも晩餐の用意にかかっていた。そこへ、イェンテ婆さんが長女ツァイテル(ロザリンド・ハリス)の結婚話を持ってやってくる。お相手は金持ちの肉屋ラザール。ユダヤのしきたりでは、仲人を立て、親が縁談を決める。テビエは迷う。男やもめのラザールと長女は歳が離れすぎているし、彼自身、ラザールが嫌いだ。だが、ラザールと結婚すれば娘は飢えずに暮らしていけるだろう・・・。テビエは気が進まぬながらも縁談話を承知する。話がまとまり、二人は祝杯をあげようと居酒屋へ行く。居合わせた村人たちも喜び、「人生に乾杯!」と歌い踊って夜をあかす。このシーンがいいんだなぁ、豪放らい落な歌とダンス!この時ばかりは異教徒のロシアの若者も加わり、コサックダンスを披露する。話を聞いた母親も大喜びだ。両親が決めた結婚。しかし、ツァイテルには、愛し合っている貧しい仕立屋のモーテル(レナード・フレイ)がいた。「無理に結婚させないで。私はモーテルと結婚したい」と懇願する娘の言葉にテビエは困惑する。自分たちで結婚を決めるとは・・・・。苦脳しつつも娘の想いをかなえてやるテビエ。しきたりを重んじてきた者にとって、重い決断だったに違いない。

次女ホーデル(ミシェル・マーシュ)は革命家の学生パーチック(マイケル・グレイザー)と、親も仲人も通さずに結婚すると言いだす。テビエは嘆く。「父親に許しを求めずいきなり結婚を宣言した。しきたりはどうなる、けしからん」と。だが、娘のパーチックへの愛の深さを思い、二人の結婚宣言を聞き入れた。

Fiddler_on_the_Roof_2.jpg

二人の娘たちは新しい時代を生きようとしている。テビエはしきたりに忠実なユダヤ人だが、愛する家族の気持ちを尊重する柔軟さも持ち合わせていた。彼には物事を多面的にとらえる知恵が備わっている。長女の結婚相手に対しては「貧しい仕立て人だが、まじめな働き者だ。」次女の時は「これが新しい愛の形かもしれない」といった具合に。新しい時代へ歩を進め始めたテビエ。しかし、どうしても譲れないものがあった。それは信仰である。ユダヤ人であることが生きる上での絶対条件なのだ。三女のハーバ(ニーバ・スモール)とロシアの青年フヨードカ(レイモンド・ラヴロック)の結婚だけは断固として許さなかった。この頑なさが、ユダヤ人差別に拍車をかけてきたのかもしれない。その一方で、どんなに迫害を受けても現代に至るまで滅ぶことがなかった要因でもある。「しきたり」は少しずつ形を変えていくがユダヤ人の信仰は未来永劫続くであろう。

政情が悪化しアナテフカ村のユダヤ人に退去命令が出される。生まれ育った土地を紙切れ一枚で追われる不条理を受け入れ、テビエたちはニューヨークへと旅立つ。その後ろをバイオリン弾きが従う。哀切なメロディーとともに。人が生きて紡ぐ、かげがえのないものへの深い眼差しが本作にはある。

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

タグ : 70年代の映画

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