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2012.03/18(Sun)

黒部の太陽

BSで観た。再見だと思う。記憶があやふやなのだ。小学生ぐらいの時に観たと記憶しているのだが、わざわざ劇場へ観に行ったとは考えづらい。調べるとソフト化されていないし、TVでは1979年に「秋の特別ロードショー」で短縮版が放送されたのみとある。これのTVドラマ版は見ていた(と思う)。私は三船敏郎さんが主演する映画も観たと思っているのだが・・・。
ウィキペディアには、文部省の推薦映画に選ばれ、当時、小学生だった人の中にはこの映画を小学校の校外学習で見たという人も多く見られる。という記述がある。私はそれで観たのかな・・・。

DSC_0234.jpg

さて映画。黒部渓谷から太陽が昇ろうとしている。雄大なテーマ音楽が、これから始まるドラマの壮大さを観客に印象づける。雪をたたえた山々は、白く厳しくそびえ立ち、人を寄せ付けない威厳に満ちている。引きのカメラが、ちっぽけな登山者の一行を捉えた。一歩ずつ、足場を確かめながら、上を目指している。昭和31年6月。関西電力の北川(三船敏郎)たちはダム建設のための下見に来ていた。 建設資材を富山から谷底に運ぶトンネルを掘り、日本で一番、世界で四番めの巨大ダムを建設するという。火力が主になりつつある電力を柔軟性のある水力発電でカバーし需要を安定させるためである。

現場責任者の北川、熊谷組の下請け会社の岩岡(石原裕次郎)らの、厳しい挑戦が始まった。当初は順調に掘り進んでいたトンネル工事だが、破砕帯に遭遇したことにより、工事は困難を極める。濁流が作業員を飲みこんでいき、犠牲者も出た。現場の緊迫がひしひしと伝わってくる。冷静な北川でさえ、我を忘れ声を荒げる。皆、気が立っているのだ。さまざまな人々の思惑が交差する暗闇のトンネル。極限状態の心理描写は見どころの一つと言えよう。

俳優たちの迫真の演技も素晴らしい・・・と、言いたいところだが、石原裕次郎さんがねぇ・・・・。台詞の語尾が聞き取り辛い。『狂った果実』は録音技術のこともあってか、台詞が全く聞き取れなかった。年月を経て作られた本作では、途中まではわかるのだが、最後の部分が「モワ~」としていてはっきりしない。歌声はステキなのにネ。残念。太陽族を知らない世代にとって、石原裕次郎さんは『太陽にほえろ』や『西部警察』の人であり、映画俳優というイメージに欠ける。

kurobe.jpg

最後、トンネルが開通するシーンは圧巻である。画面を埋め尽くす人、人、人。皆、笑っている。それぞれの立場の人が、それぞれの思いを込めて、突き進んだ道のりは厳しかった。ようやく通した一本の道に、風が通り抜けてゆく。みんなの心が一つになった瞬間だ。敗戦から立ちあがった日本の姿を映画に見て、誇らしい気持ちになった。が、一方で、原子力発電所という安易なモノを作ってしまったことへの反省を促されているようにも感じた。
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