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2012.07/08(Sun)

男はつらいよ 寅次郎子守唄

尺八の音にナレーションが重なる。「昔、昔ある村にな、とても働き者の夫婦がおった・・・」カメラが写し取っていく風景はとても幻想的。それもそのはず、これは例によって例の男の夢世界なのだから(笑)。今回は子宝の神様としてご登場。貧しそうな夫婦(倍賞千恵子と前田吟)に、赤ん坊と小判を授けご満悦な四角い顔に煙がかかる。「ゴホ、ゴホ」

魚を焼く煙によって眠りから目をさました寅さん。子供からイワシをもらい、、夢の中の神様同様、優しくほほ笑んでいる。刈り入れの終わった田んぼのあぜ道、風がススキの穂を揺らす。小川は穏やかに光を反射させ、柿木はその実を鳥に食べさせ、木々は色づきを濃くしている。日本の秋を長閑に残す里山の風景が郷愁をさそう。寅さんの住む柴又もまた、懐かしさをたたえた街である。柴又は映画の当時と今もほとんど変わっていない。江戸川を渡れば千葉県、東京のはずれの小さな町は、昭和の時代の風体で平成の世にたたずんでいる。柴又の土手から見える「東京スカイツリー」は新参モノ。寅さんが見たらどう思うだろう?

その柴又の土手を、「さくら」が慌てた様子で自転車を走らせている。「博」が工場での作業中に怪我をしたという連絡を受けたのだ。病院へ駆け付けると、幸いにも軽傷だった。診療室から出てきた看護婦さんがと十朱幸代さん♪今回のマドンナネ。彼女と「とらや」の接点を作るため、山田監督は「博」に怪我を負わせたんだ(笑)。「とらや」の人たちが安堵し、軽口をたたいて笑っているところに、寅さんがふらりと戻ってきた。将来のことなど話しているうち、葬式のことに話が及ぶ。始めは殊勝なことを言ってた寅だが、次第に悪乗りして、皆を怒らせてしまった。逆ギレした寅さんは家を飛び出してしまう。

torajirou.jpgしばらくして、舞い戻ってきた寅の背中には赤ん坊が・・・。九州の「呼子港」(子を呼ぶ港だって・笑)で知り合った男から押しつけられたらしい。無精ひげが寅の苦労を物語っている。いつも、身なりだけはコギレイにしているのにね。よほどのことだと思うよ(笑)。疲れ切った寅さんは、事情を説明せずに眠りこけてしまった。寅に子ができたという話は、あっと言う間に広まり、噂を聞いた御前様がやってくる。おばちゃんは「お恥ずかしい」と泣きじゃくっているし、おいちゃんは「みっともないことになりまして」とうなだれている。そんな騒ぎのことなど、つゆ知らず、眠りから覚めた寅が、呑気な顔で皆の前に姿を現した。おいちゃんが「御前さまにお詫びしろ」言うと、おばちゃんは「申し訳ありません」と代わりに謝っている。まっ、誤解は解けるのだが、ここからが本当の騒動の始まりである。寅の恋ほど、人騒がせなものはない。

私はシリーズ全部を見ていないけれど、パターンとしては、寅が恋をした人には好きな人がいて、寅はキューピット役に甘んじるというものではないだろうか。その場合、恋敵はマドンナにふさわしい男性で、寅も周りも「・・・だよな」と、それなりに納得し、高嶺の花に恋をした寅がいけないという結論に落ち着く。だが、今回は違う。寅よりブチャイクな男・大川(上條恒彦)がマドンナに恋をした。この男、見かけも悪いし(←失礼・ゴメン)金もないし、口下手。寅は「おまえ、女には持てないだろう。女に惚れられたことあるのか?惚れたことはあるだろう?」と、からかって喜んでいる。おばちゃん曰く「髭じゅう顔だらけ」・・・と、「とらや」の人をして、「寅の方がマシだ」と言わせしめた男である。寅さんは、自分の方がモテると、うぬぼれ心をおこし、大川に告白しろとけしかける。いつもフラれてばかりだから、たまには他人が失恋するのを見たいということか。ところが!恋が成就してしまったんです。これはショックだろうな。自分より劣っていると思った男が、マドンナのハートを射止めてしまったのだから。失恋のダメージは、いつもより大きいと思う。寅が先に告白していたらどうなったのかな?寅の恋はいつも片思いだけれど、相手は寅の気持ちを知らず、気のおけない友達だと思っている。もし、相手に気持ちを伝えていたら、結婚できていた?片思いの美学を貫いた寅さんに乾杯。

line088.gif

3年前にを連れて行った柴又。帝釈天の近くに「矢切の渡し」があって、そこから小舟が出ています。
shibamata_4_1.jpg
yagiri_1_1.jpg


舟はワンコも乗船できます。その時の写真。大切な想い出・・・。

fune_4.jpg


fune_3.jpg

タグ : 山田洋次

14:21  |  映画  |  TB(1)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●こんにちは。

 レビューを拝読しまして、如何にもマーちゃんらしい極め細かくて、而も的を得た鑑賞眼に感服します。
 シリーズものは、ワン・パターンになるのは避けられないと思います。
 例えば「刑事コロンボ」も同類項だと思うのですが、そのそれぞれに固有の味があるので、面白くて止められません。
 本作は、全48作の中でも並の上ぐらいでしょうか、、。TBさせていただきます。

 愛犬ちゃん柴又を行く。お写真と説明記事、興味深く拝見させていただきました。
 柴又の土手から「東京スカイツリー」が見えるのですか。ほんとうに、寅さんが見たらどう思うでしょうね。
ascapapa | 2012.07.09(月) 10:42 | URL | コメント編集

●ascapapaさんへ

こんにちは。お褒めにあずかり恐縮です<m(__)m>

48作も続いたのは、寅さんと「とらや」の人たちのキャラクターが、国民に愛され続けたからでしょうね。
そして、あのワン・パターンも愛されたのだと思います。夢で始まり恋が破れる・・・そうでなければ、納得できないんですよ(笑)。

本作は爆笑の連続でした!赤ん坊をお荷物扱いしていたくせに、十朱さんの前では、子供好きのフリをしたり、上條恒彦さんのアパートで「貧しい暮らしぶりだなぁ」と言ったり。そうそう、コーラスを見学しているシーンも傑作でした。

柴の方が死んでしまい、もう一緒に行くことはかないません。「男はつらいよ」を観ていると、柴又でのことを思い出します。帝釈天の近くの、おせんべい屋さんが、「ワンちゃん」にと、醤油をぬっていない割れたおせんべいをくれたんですよ。今も人情の街です。

柴又には高い建物がないので、遠くのスカイツリーが見えます。スカイツリーは、寅さん同様下町のシンボル。展望台に寅さんを登らせてあげたいですねぇ。
マーちゃん | 2012.07.09(月) 13:23 | URL | コメント編集

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