HP「ジャック・ニコルソンの館」を立ち上げました。よかったら覗いてみてくださいネ♪
真夜中のカーボーイ
2008-06-12 Thu 22:03
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原題:MIDNIGHT COWBOY
監督: ジョン・シュレシンジャー
原作: ジェームズ・レオ・ハーリヒー
脚本: ウォルド・ソルト
撮影: アダム・ホレンダー
メイクアップ: ディック・スミス
音楽: ジョン・バリー
上映時間 113分
1969年 アメリカ映画
出演: ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン、シルヴィア・マイルズ、ジョン・マッギーヴァー、ブレンダ・ヴァッカロ


「いやあ、映画って本当にいいもんですね」のセリフで親しまれた水野晴郎さんが亡くなりました。『真夜中のカーボーイ』という邦題は水野さんによるもの。カウボーイではなく、カーボーイにしたことが不思議です。どうしてでしょうね?

ジョン・ヴォイトの初々しい事!今や、どぎつい悪役で強烈な印象を残す俳優さんですが、若い頃はとっても可愛かったのです。本作の2年前、『墓石と決闘』がデビュー作。あのアンジェリーナ・ジョリーは彼の娘です。

テーマ曲「うわさの男」が流れる中、軽やかな足取りのジョー・バック(ジョン・ヴォイト)をカメラは追います。テキサスの陽射しを眩しそうに手でさえぎり、スーツケースを手に希望を胸に、向かうはニューヨーク。ジゴロの生活を夢みての旅立ちでした。性的なパワーを無邪気に信じ込んでいるジョーが可笑しいです。

しかし大都会ニューヨークは、かつてのように、アメリカンドリームを実現するための街ではありませんでした。過酷な現実に直面し、ジョーの顔からは輝きが消えます。お金が底をつきホテルを追い出されたジョーに手を差し伸べたのは、肺病で足が不自由なネズ公ことラッツォというコソ泥。親切心というよりも、一人では生きていけない弱者の選択でしょうね。社会から疎外されたふたりが肩を寄せ合って、貧しさと寒さに震える姿が哀れ。魂がちぎれてしまいそう。

ニューヨークの華やかさの裏にある腐敗した生活。全編に影を落とす同性愛、売春、貧困といったアメリカの病巣。『踊る大紐育』のような、活気溢れる明るいニューヨークばかりがニューヨークじゃない。『ティファニーで朝食を』ではティファニーのウィンドーの前でパンをかじるオードリーがいました。本作にも出てくるティファニーの前では人が倒れています。その横を知らんふりして通り過ぎて行く人々。夢見る時代の終わりを象徴するシーンです。

と、かなり暗い作品です(汗)。ただ、友情物語と捉えるならば、救いがありそうですね。寒々とした生活から抜けすため、暖かなマイアミへと向かうバスの旅・・・・それがラッツォの望みでした。カウボーイハット、シャツ、ブーツを捨てることが過去との決別を意味します。衰弱したラッツォに、ヤシの木がプリントされたアロハシャツを着せてやったジョーの想い・・・・もう、汚いドブ鼠じゃないよって。力なく微笑むラッツォは親友の横で息をひきとります。最期だけは孤独でなかったと思いたい・・です。アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚色賞を獲得した、時代を映し出した秀作。アメリカ文明への強烈な批判が痛い作品です。

水野晴郎さんのご冥福をお祈りします。
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ザ・マジックアワー
2008-06-10 Tue 09:37
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監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
音楽:荻野清子
撮影:山本英夫
編集 :上野聡一
出演:佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、戸田恵子、寺島進、小日向文世、伊吹吾郎、浅野和之
2008年 日本


この映画、観る予定はなかったのですけれど、日テレ『ガキの使いやあらへんで』に出演した三谷監督の宣伝魂に心を打たれ観に行きました。なんと、練りわさびのチューブを鼻につっこんだのですよ。ブチューって!もうびっくり!!ちょっと汚かったですが、その心意気を美しいと感じました。今まで三谷映画は観たことがありません。テレビドラマは『古畑任三郎』と『総理と呼ばないで』のみ。ただ、三谷幸喜さんのことは大好きで、朝日新聞に連載中の『三谷幸喜のありふれた生活』を愛読しています。先週末TV放送された『有頂天ホテル』が初めての三谷映画となりました。そして日を空けず本作を観ることに。

三谷さんは映画が大好きな人なのですね〜。主題だのカメラワークだの構成といった御託を並べず、純真無垢な気持ちで映画を愛しているのだと思います。『有頂天ホテル』は『グランド・ホテル』へのオマージュ溢れる映画でしたし、本作には「シカゴ」「ビリー・バスゲイト」「ムーラン・ルージュ」「スティング」「カサブランカ」「ゴッドファーザー」「アンタッチャブル」など、超有名作のテイストが練りこまれていたような気がします。詳しい人が見れば、もっともっと、名作のパロディに気づくでしょうね。あとね、意外な人の唐突な登場がありました。カメさんこと市川亀治郎が・・・なんで?

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売れない三流役者とマネージャー、クラブの支配人と従業員、町を牛耳るボスとその愛人に手下、敵対する若手のボス、ホテルの女主人、警察署長が入り乱れて、てんやわんやの大騒ぎ。軽快でコミカルな雰囲気が映画を満たしています。中でも劇場の空気が弾けて笑いが起こったのは、西田敏行演じるギャングのボスと三流役者(佐藤浩市)の初対面シーン。トンチンカンなやり取りが生み出す可笑しさ、「知らぬが仏」とはよく言ったもの・・・・はったりとケレンに満ちた、出たこと勝負の芝居が繰り広げる狂騒。思わず、無防備な大声で笑ってしまいました。人生、おめでたく、能天気で生きれば活路が開けると信じたい・・・笑。

三谷脚本の味を読み取った俳優たちの名演もさることながら、この映画のもうひとつの主役と言えそうなのが豪華なセットです。美術や衣装がとても重視されています。架空の街「守加護」のメインストリート、石原裕次郎が出てきそうな波止場、高級クラブ、レトロなファッションが映画の香りを豊かにしています。とぼけたユーモアとメランコリーが絶妙に調合された柔らかな映画でした。
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第十七捕虜収容所
2008-06-07 Sat 12:02
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題:STALAG 17
監督: ビリー・ワイルダー
原作: ドナルド・ビーヴァン 、エドマンド・トルチンスキー、
脚本: ビリー・ワイルダー、エドウィン・ブラム
撮影: アーネスト・ラズロ
特殊効果: ゴードン・ジェニングス
音楽: フランツ・ワックスマン
1953年 アメリカ映画
出演: ウィリアム・ホールデン 、 ドン・テイラー 、オットー・プレミンジャー 、ロバート・ストラウス、ハーヴェイ・レンベック 、ネヴィル・ブランド、ピーター・グレイヴス


「戦争捕虜を扱った映画がないのが気に食わない」・・・・映画の冒頭でナレーションが入ります。ということは、これが捕虜を扱った映画第一号ということかしら。 捕虜収容所を扱った映画で真っ先に思い浮かべるは『大脱走』、次に『戦場にかける橋』かなぁ。そうそう、『勝利への脱出』というのもありました。最近だと、『ジャスティス』とか・・・・。本作はこれら捕虜収容所映画の草分けと言えそうですね。

戦争の末期、ドナウ川の近くにあるドイツの捕虜収容所。ここにはロシア人、ポーランド人、チェコ人など4万人もの捕虜が収容されています。その中のひとつ、アメリカ空軍関係者の軍曹ばかり630人が集められた施設が舞台です。ある夜、二人の捕虜が脱走を図りますが、ドイツ側は事前に計画を知っていたかのような反応を見せ、脱走兵を射殺します。「おかしい。これは宿舎の中にスパイがいるからに違いない」ということで犯人探しが始まるのです。閉ざされた空間で繰り広げられる心理戦から目が離せません。

この映画の面白さは、息詰まるサスペンスドラマの中に喜劇的な部分を混ぜて、深刻さを回避しているプロットにあるのでしょうね。捕虜収容所にあって、場違いな陽気さを発揮しているロバート・ストラウスとハーヴェイ・レンベック のコンビが楽しい。かたや収容所長のオットー・プレミンジャーと見回りのシグ・ルーマンは笑顔の裏に狡猾な本心を隠し持つ悪人。『大脱走』と比べると、ドイツ人を徹底的に悪く描いています。しかしそれが、遊び心に満ちたアイロニーの世界を作り出し、妙に可笑しくもあります。 ビリー・ワイルダー さんらしい演出ですね。

舞台劇を映画化したものだそうです。だからでしょうか、派手なアクションシーン、大掛かりな仕掛けなどはありませんが、舞台の魅力を写し取った、たぐいまれな人間ドラマを味わえます。この映画でウィリアム・ホールデンがアカデミー賞の主演男優賞に輝いています。素晴らしい演技であったとは思いますが、スティーブ・マックイーンで見たかった(マックイーンが10年早く世に出ていたらなぁ)。ふと、そんなことが頭をよぎりました。
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朝が苦手なワンコ
2008-06-05 Thu 12:55


リリーさんとピーコさんの朝は、のんびりです。平均起床時刻は朝9時ぐらい。お腹がすくので、しかたなく起きるようです。リリーさん、ピーさんを敷布団にして・・・・

「ピーちゃ〜ん、リリちゃ〜ん、起きなさい」と声をかけてもこのとおり。リリーは目に力を入れて一生懸命、開けようと頑張ってるのだけど・・・・。起きようという気合と、もうちょっと寝ていたいという怠惰な心の葛藤です。この善と悪のせめぎあいから、リリーの一日は始まります。

どうにか起きた後は、「オチッコ、チビりそう」って、ヨタヨタしながら、ペットシーツに用を足しに行きます。ほどなく食事。食後は「大なる用」を足すため、再びペットシーツに。この間、ピーコは動ずることなく食事を済ませ、大地に糞尿をすべく、外へと向かうのであります。
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ヒンデンブルグ
2008-06-02 Mon 17:25
Hindenburg Disaster
監督: ロバート・ワイズ
原作: マイケル・M・ムーニー
脚本: ネルソン・ギディング
撮影: ロバート・サーティース
SFX:アルバート・ウィトロック、クリフォード・スタイン
音楽: デヴィッド・シャイア
原題:THE HINDENBURG
上映時間 115分 1975年 アメリカ映画
出演: ジョージ・C・スコット、アン・バンクロフト、ウィリアム・アザートン 、ロイ・シネス 、ギグ・ヤング、バージェス・メレディス


主演がジョージ・C・スコット。「博士の異常な愛情」と「パットン大戦車軍団」での突き抜けた演技が忘れられません(笑)。この映画でも、あのキャラを期待したのですが・・・・予想に反し、思慮分別のあるドイツ空軍のフランツ・リッター大佐を静かに演じています。飛行船ヒンデンブルグ号の爆発炎上事故を、異色なアプローチで描いたサスペンス・パニック映画です。

映画の冒頭、気球に始まった飛行船の歴史の説明があります。150年前(30年前の映画ですから今から180年前ですね)モンゴルフィエ兄弟が、気球操縦に初めて成功しました。その後、飛行船は球形から葉巻型へと形を進化させます。硬式飛行船を開発したのは、ドイツの退役将校で変人伯爵のツェッペリン。彼は120メートルの飛行船をエンジン2基で30キロ飛行するという偉業を成し遂げます。ほどなく、ツェッペリン社は初の航空旅行便を開設。1924年にアメリカ海軍用の飛行船を建造するなど、次々と実績を残し、ついには船体がフットボール競技場の3倍もの巨大飛行船を完成させます。骨組みのジュラルミンは延長16キロ、15階のビル分です。まさに大空を征服する人類の夢の結集。しかし、ヒンデンブルグにはもう一つの顔がありました。ナチの世界的シンボルとして、尾翼のハーケンクロイツがドイツ第三帝国の力を誇示しながら、世界の空を飛んでいました。

映画としての面白さはもちろんのこと、飛行船のしくみもわかり、興味深く見ることが出来ました。爆発を引き起こす船内の火災には、細心の注意を払っていたようです。ライターの持ち込みは禁止。金属の摩擦による発火を恐れ、ステッキにはテープを張るという徹底ぶりです。乗客は飛行船に乗り込む際、体重を申告しています。水素ガスで浮かぶ物体ですから、重量に制限があったのでしょう。驚くことに、飛行船の外を覆っているのは薄い布!飛行中、一部が破れるアクシデントが起こり、乗務員が船外に出て修理するシーンがあります。水素船ということは巨大な風船の中にいるのと同じ事。破裂しそうで恐いですね。ただ、飛行機のように座席に縛りつけられることなく自由に歩きまわれ、寝室にはベッドが装備されているなど、豪華客船のような船内ライフは大きな魅力です♪

映画はヒンデンブルグ号に時限爆弾が仕掛けられたというウワサを受け、ジョージ・C・スコットが船内の怪しい人物と爆弾の有無を探るというもの。ようやく爆弾を見つけ、処理しようとした時、爆発してしまう最悪なエンディング・・・あらま。実際にあったヒンデンブルグ号の爆発事故を映画化したのですから、この結末は致し方ないですね。上空150メートルで突然爆発した機体が煙と炎に包まれ地上に落ちていく様子のラジオ実況放送(事故当時のもの)で映画は幕を閉じます。大惨事の犠牲者は乗客13名、乗組員22名、地上の米国水兵1名。生存者は62名でした。惨状の原因として、構造の欠陥、空電、聖エルモの火、レジスタンスによる破壊工作などがあげられていますが、いずれにも確証はありません。ヒトラーは神の業、天災だとしたそうです。
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天国から来たチャンピオン
2008-05-30 Fri 13:32
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監督: ウォーレン・ベイティ 、バック・ヘンリー
製作: ウォーレン・ベイティ
製作総指揮: ハワード・W・コッチ・Jr
脚本: エレイン・メイ、 ウォーレン・ベイティ
撮影: ウィリアム・A・フレイカー
音楽: デイヴ・グルーシン
原題: HEAVEN CAN WAIT
上映時間 101分
1978年、アメリカ映画
出演: ウォーレン・ベイティ、ジュリー・クリスティ、ジェームズ・メイソン 、ジャック・ウォーデン 、チャールズ・グローディン、ダイアン・キャノン


天国へ行ったことがありますか?どんな所なのでしょうかねぇ。行って見たいな、いつの日にか・・・です(笑)。天国から帰って来た人と言えば、フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」を、その代表に挙げたいところですが(古っ)ウォーレン・ベイティの「天国から来たチャンピオン」も捨てがたいですね♪

製作、脚本、監督、主演の4役をこなしたウォーレン・ベイティに拍手です!映画の冒頭はアメリカン・フットボールのクォーターバック、ジョー(ウォーレン・ベイティ)のトレーニング風景。カメラは山道を走り器具を使って足腰の強化に励むジョーを追います。生レバー入りの野菜ジュースで健康管理。趣味はクラリネットを吹くこと。そんな元気ハツラツな青年に降りかかる珍事・・・・・。

いつものように、快調に、自転車のペダルをこいでトンネルへ・・・・ガッチャ〜ン、自転車と車がぶつかった音がぁ(汗)。真っ暗なトンネルから場面は一転し、背広姿の男とジョーが雲の中を歩いています。そこは天上の世界、天国への中継地点だったのです。背広姿の男は天国への案内人。ところが、この案内人が新米で、残りの寿命が50年あるジョーを間違って連れてきてしまった・・・。ということで、急きょ、地上に送り返そうとするも、時既に遅かりし。戻るべき肉体は火葬され灰と化していました。仕方なく、命がつきかけている人の体を借り、地上へと戻ってきます。戸惑いの中、ある女性と恋に落ちたジョーの、魂の再生を描いたファンタジーです。

人間の世界に頻繁に出没する天上界の案内人が、普通の人っぽい。さながら一流企業に勤めるサラリーマンといった風采かな(笑)。あの世のお方なのに、神秘的でも慈悲的でもなく、事務的というのが可笑しい。かたやジョーもマイペース。自分が死んだことを知っても悲嘆するふうはなく、猛然と抗議して地上に舞い戻って来るとは・・・・。言ってみるものですね〜。為せば成る為さねば成らぬ何事も!スーパー・ボールに出たいが一心の往生際の悪さ?が、案内人のミスの発見につながりました。

ジョーは一度死んで、その魂は再び別の個に宿って生き続けますが、最後には以前の記憶を消されることに。そのことを知ったジョーは恋人に別れを告げます。「もし、いつか、フットボールの選手が現れて、彼の目に何かを感じたら・・・・だぶん、そいつはクオーター・バックだろう」はたして二人は再び出会います。互いに相手を知っているような感覚・・・・。「あなた、クオーター・バック?」「ああ、どうして知っているの?」このシーンは最高にロマンティックです☆魂は永遠に循環しているのかもしれませんね。人は魂の流れの中にあるのだと気づかせてくれる作品です。
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訃報・シドニー・ポラック
2008-05-27 Tue 21:50
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数々のヒット作を世に送り出した監督さんですね。深く印象に残っているのは『追憶』 (1973) と『愛と哀しみの果て』 (1985) 。作品が好きというよりも、ロバート・レッドフォードが出演していたからでしょうか。。。。『コンドル』(1975)もレッドフォードの主演です。(これは一度しか観ていないので、よく覚えておりません)その他、『ザ・ヤクザ』 (1974) 、『トッツィー』 (1982) 、『ザ・ファーム/法律事務所 』 (1993) 、『サブリナ』 (1995) 、『ランダム・ハーツ』 (1999) 、『ザ・インタープリター』(2005) など、どれも素晴らしい映画です。

監督の映画に登場する女性たちは個性豊かです。『追憶』のバーブラ・ストライサンドは赤狩り時の政治活動家、『愛と哀しみの果て』のメリル・ストリープはアフリカの大地に生き、『ザ・ファーム/法律事務所 』のホリー・ハンターは命がけで不正を追求し、『ザ・インタープリター』のニコール・キッドマンも凛とした強さを持っていました。俳優としても活躍した人です。『フィクサー』での演技は忘れられないものとなるでしょう。
合掌。
別窓 | 映画 |
ギルダ
2008-05-24 Sat 09:36
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監督: チャールズ・ヴィダー
原作: E・A・エリントン、ジョー・アイシンガー
原題:Gilda
脚本: マリオン・パーソネット
撮影: ルドルフ・マテ
音楽: モリス・W・ストロフ
上映時間 109分
製作国:アメリカ 、製作年:1946
出演: リタ・ヘイワース 、 グレン・フォード 、ジョージ・マクレディ、ジョセフ・カレイア、ジョー・ソーヤー 、ルース・ローマン


『ショーシャンクの空に』の中、刑務所内で慰安上映されていた映画です。”愛の女神”と称えられるリタ・ヘイワースの妖艶さが全編に漂っています。けだるい佇まいに魅惑の口元、神秘的な瞳。見る者の心を波立たせる美しさです。ギターの弾き語り「みんな彼女のせいにしな」は『ショーシャンクの空に』で流れた曲。これは彼女のテーマ曲のようで、この曲に合わせダンスも披露しています。



ストーリーは。
舞台は南米、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス。違法カジノに流れ着いた男(グレン・フォード)と彼を拾った店のオーナー(ジョージ・マクレディ)とギルダ(リタ・ヘイワース)の微妙な三角関係を描いたサスペンス。ふたりの男の間で揺れ動くギルダを巡る愛と憎しみを描いています。ギルダは言います。「憎しみは心を躍らせる感情、スリルよ。憎しみだけが私を興奮させる。あなたをどんなに憎いか知りたい?たとえ自分が死んでも、破滅させてやりたいくらい」と・・・・・・。

Rita Hayworth3
ねっ、セクシーでしょ?タバコの煙が虚ろなギルダの心みたい・・・。でね、ポイ捨てしたタバコがすれ違った男に当たってしまうのですよ。その時のセリフが洒落てます。「嫌われたかな?」と問う男に「欲求不満を捨てただけよ」「僕の上に?」「そうよ、それが何?」アンニュイな雰囲気ですね〜。これはリタ・ヘイワースだから成立する会話。普通は「おいっ!タバコが当たったぞ、ポイ捨てするな」「スミマセン。灰皿がなかったもので」「俺は灰皿じゃない」「大変申し訳ありませんでした、以後気をつけます」となりますものね(笑)。

DVDの解説によると、彼女の人生は映画以上に波乱に飛んだものだったそうです。主演のふたり、リタ・ヘイワース と グレン・フォードは、私生活でも特別な関係でした。リタ・ヘイワースがグレン・フォードの楽屋のトイレで自殺未遂事件を起こしたのです。一糸まとわぬ姿のヘイワースが床に寝そべり、周囲には多量の睡眠薬が散らばっていました。フォードが電話で救急車を呼んだ、その時、ハリー・コーン(コロンビア映画のボスでリタの愛人)が4人のカメラマンを引き連れて飛び込んできました。ヘイワースのヌード写真を撮られまいと、フォードはとっさに失神した女優の身体に覆いかぶさりました。次の日、その時の写真とスキャンダラスな見出しが新聞紙面を飾ったそうです。リタ・ヘイワースには5回の結婚歴があります。絶頂期にインドの王子A・カーンと結婚し引退しますが、結婚生活は長続きせず、4年後に映画界に復帰。2度目の夫はオーソン・ウェルズでした。

リタ・ヘイワースは名ダンサーでもあり、ミュージカル映画にも出演しています。フレッド・アステアと『晴れて今宵は』、ジーン・ケリーとは『カバーガール』で共演を果たしました。この2本も観たいです!
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ミスト
2008-05-21 Wed 20:22
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原題: The Mist
監督・脚本: フランク・ダラボン
製作総指揮: ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、リチャード・サバースタイン
原作: スティーブン・キング
撮影: ローン・シュミット
音楽: マーク・アイシャム
出演: トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ネイサン・ギャンブル、ローリー・ホールデン、アンドレ・ブラウアー、トビー・ジョーンズ、ウィリアム・サドラー、アレクサ・タバロス
2007年アメリカ映画/2時間5分

公式HPはコチラ

ネタバレしています。
恐かったです。ホラーだと知らなかったし・・・ブツ、ブツ。しかし、そこはスティーブン・キング原作×フランク・ダラボン監督という組み合わせ、陰鬱な悪夢に堕さない画面構成と人物描写で魅せてくれました♪人の心の奥底にある暗黒を描き出した、心底恐ろしい映画です。『ショーシャンクの空に』とは映画の色彩こそ違えども、両作品に共通するテーマは希望。希望を持ち続けた者と最後に希望を捨てた者との明暗分かれる結末。『ミスト』には驚愕の結末が用意されていました。

霧に覆われた田舎町のスーパーマーケットを舞台にしたミステリーホラーです。視界ゼロの霧の中に「何か」がいる・・・得体が知れないもの、未知なるものへの恐怖。やがて恐怖は狂気へと・・・・。狂気の斜面をすべり落ちる人々。画面に漂う悲痛な雰囲気。心の内に狂気を秘めた倒錯者。霧の中のモンスターに呼応するかのように人々の心が邪悪なものに支配されていく様が恐いです。

極限状態に置かれた人間に、聖書の文言を歪曲して説く狂信的な女。霧の中の怪物は神の怒りの創造物であり、その怒りを鎮めるためには「いけにえ」が必要だと言います。こうして人間の、人間に対する非人間的行為が行なわれます。このキャラは『キャリー』(1976年)の中に登場するキャリーの母親とほぼ同じですね。キングさん、キャラの使いまわし?(笑)彼女に対して嫌悪を感じる人は多いでしょうが、その教えには一理ありかも(滝汗)。だってねぇ、未曾有の惨事を目の当たりにしてごらんなさいな。科学で説明出来ない事柄は神の領域云々・・・ということにしたいですよ。私のような人間が真っ先に洗脳されてしまうのでしょうね(笑)。(次元に手を出すなんてことは神への冒涜です!)

ラストは衝撃的ではありますが、あのラストにしてまでも伝えたかった希望の大切さ。これはフランク・ダラボン監督のオリジナルだそうですね。そうかぁ、こういう感性を持った人だから、スティーブン・キングの小説の映画化に成功したのでしょう。超自然的な力をもつ巨大な悪と人間の心に潜む悪を前に、全ての賭けに勝ち目がなくなったと悟ったとき、人は絶望するのでしょう。希望は消え失せ、恐怖と絶望だけが残ってしまった・・・。間違った決定、運の悪さ・・・・残酷な運命のいたずらとしか言いようがないですね。
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ショーシャンクの空に
2008-05-19 Mon 16:21
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監督: フランク・ダラボン
製作総指揮: デヴィッド・レスター 、リズ・グロッツァー
原作: スティーヴン・キング
脚本: フランク・ダラボン
撮影: ロジャー・ディーキンス
美術: テレンス・マーシュ
音楽: トーマス・ニューマン
原題:THE SHAWSHANK REDEMPTION
上映時間 :143分
製作国 :アメリカ  製昨年:1994
出演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン 、ウィリアム・サドラー 、ボブ・ガントン、ジェームズ・ホイットモア


新聞の映画広告に『グリーンマイル』『ショーシャンクの空に』の2作品の名前が踊っています。スティーヴン・キングの原作をフランク・ダラボンが映画化した『ミスト』とマンデラの獄中生活『マンデラの名もなき看守』のコピーに登場。う〜ん、「ミスト」の広告で出てくるのはわかるのですが、『マンデラの名もなき看守』はなぜ?監獄ものだからでしょうかねぇ(笑)。

舞台は1947年から66年にかけてのショーシャンク刑務所。妻とその浮気相手を殺した罪で投獄された元銀行家の静かな戦いを描いています。彼の名はアンディ(ティム・ロビンス)。愛する妻と銀行の副頭取の肩書きを持つ、前途洋々の若者でした・・・・。

つかみどころのない人物を演じさせたら、ティム・ロビンスの右に出る役者さんはいないでしょうね(笑)。アルトマン監督の『ザ・プレイヤー』での演技は特に印象に残っています。独特の雰囲気があるのですよねぇ。自分が犯していない罪に問われた男の絶望と希望を、内省的で悲壮な演技でもって見事に表現しています。喜怒哀楽を覆い隠し、不屈の闘志を内に秘めた男・・・深みがあります。

監視する側とされる側。罪人として収監されている者と彼らを法の名の下に管理する看守。本来ならば、罪人が悪で看守は善のはずが、この映画では逆転しています。悪意に満ちた冷淡さを持つ所長は裏金作りに励み、看守主任は残虐極まりない方法で囚人たちを罰する。世間から切り離された空間で日々繰り返し行なわれている陰湿なイジメ。そんな絶望的な世界で正気を保つには、よほどの精神力を持っているか、全てを諦めて廃人同様に生きるしかないでしょう。

刑務所での20年は長いですね。映画女優のポスターを小道具に使って、時の流れを表しています。アンディの独房の壁を飾ったのは、初代はリタ・ヘイワース、入所10周年の記念に贈られたのがマリリン・モンロー、そしてラクエル・ウェルチへと・・・・。リタ・ヘイワースは刑務所で上映された映画『ギルダ』にも登場しました。名前を呼ばれ「私?」と頭を上げてニッコリするシーン、最高の笑顔です!原作はスティーヴン・キングの【刑務所のリタ・ヘイワース】ですものね〜。20年のあいだに、アンディの髪には白いものが混じるようになり、老眼鏡のお世話に。そうして刑務所生活に馴染み溶け込んだように思えたのですが・・・・・・。

アンディは自由になることを諦めてはいなかったのです。希望は何にも替えがたい永遠の命題。彼は希望を失うことはなく、その時のために黙々と準備をしていました。20年間、ロックハンマーで自由へ通じる穴を掘り続けます。コツコツと。己の信念に忠実で、決して希望を捨てなかった主人公に、すがすがしい感動を覚えました。
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